消費税法の計算スピードを上げる方法

消費税法に限らず税理士試験の受験生の多くが解答時間を短くするのに試行錯誤しています。計算について受験生がしているスピードアップの対策は主に次のようなものです。

  1. 電卓の早打ち
  2. 仮計省略

電卓の早打ちも仮計省略も根本的解決策ではない!

私はいずれもオススメしません。まず、1の電卓の早打ちですが、経験上、電卓は税理士試験の受験勉強過程で自然に身に付く速さで十分です。人差指だけで一つ一つゆっくり押さないといけないなど余程遅い場合は別ですが、そうでないならわざわざ電卓の練習をする必要はありません。「電卓は速さよりも正確性」でも書いていますが、電卓は正確性が一番です。消費税法は電卓の速さで合否が分かれることないので、わざわざ電卓の練習をするくらいなら理論を1題覚えた方が良いと思います。

続いて、2の仮計省略ですが、これも「消費税法の仮計は書いた方が良い」で書いている通り、私はミス防止のためにも仮計を書く方が良いと考えています。私も仮計なしを試した事がありますが、仮計を省略してどのくらい時間を短縮できたと思いますか?私の場合はたった数分でした。仮計省略には一定のリスクがありますし、そのリスクと仮計省略の短縮時間のメリットを比較すると私は仮計を書いた方が良いと思います。

それに消費税法は並の電卓スピードで仮計を書いて合格できます!私は合格しました。

計算スピードが遅い原因は他にある!

計算スピードが遅い根本的な原因は電卓でも仮計でもありません。計算スピードが遅いからといって電卓の早打ちや仮計省略の練習をしてもそれは付け焼刃でしかなく、根本的な解決にはなりません。

では何が根本的な原因かというと「試験の解答時間が足りない原因」でも書いている通り、解答判断力の不足です。問題を読み、正しい解答を導き出す力が合格レベルに達していないのです。この解答判断力を磨くためにはどうすれば良いかというと「勉強」以外にありません。では、どのような勉強をすれば良いかというと計算問題を数多く解く事が大切だと考えています。模擬試験問題や定期試験問題は何回解きましたか?私は最低でも3回、多いもので10回くらいは解き直しました。個別問題も大切です。個別問題を軽視する受験生がいますが、総合問題は結局は個別問題の集合体で、個別問題が解けなかったら総合問題は絶対に解けません。

総合問題も個別問題も同じ問題を何度も繰り返し解き直すことで解答プロセスを頭にインプットさせることができます。個別問題の解き直しで個別論点の理解を深め、総合問題の解き直しで総合問題の解き方が身に付きます。

解答判断力が高まると自然と計算スピードが速くなります。これは消費税法に限らず、税理士試験全科目において共通のことで、これが税理士試験の合格のポイントです。

たまに受験予備校の講師が電卓の早打ちや仮計省略を勧める人がいますが、これは私が思うに、講師は受講生に「解答時間が足りない原因は勉強不足」と思っていてもそれを言えずに別の方法としてこれらを提案しているのではないでしょうか。計算スピードを上げたいという人に対して「いや~、勉強しかないね」と言ったら「あの講師は頼りない!」となりますからね。電卓の早打ちや仮計省略などは耳触りが良いでしょ?そういう提案をされると「あの講師は良い!」と感じてしまいますからね。

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